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血液サラサラ
血液サラサラが、ブームとなっています。
「玉ネギを食べる」「ワインを飲む」「水を1日に2リッター飲む」など、いろいろな情報があふれています。
本当のサラサラ血液になりたいならどうするか、漢方医学(中医学)で見てみましょう。
瘀血(お血)
血液がドロドロしていて流れにくく、汚れたり詰まりやすくなり停滞しているとき、漢方では「お血」と呼びます。
血液は血管を通り、サラサラと流れて内臓や組織に酸素や栄養分を送りとどけ、さらに老廃物を運び出すという大切な働きをして健康を保っています。
この働きがスムーズでなく「お血」の状態になれば、各組織はダメージを受け、さまざまな病気を招くことになります。
瘀血(お血)の原因
ストレス、運動不足、偏食、過労など現代人の生活にはお血の要因が沢山あります。
中医学で考えるお血の原因をあげてみよう。
○ストレス
極端な喜怒哀楽や長時間持続する。感情の刺激は、気血の流れを阻んで、お血の原因となる。
中医学で、七情と云い、「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」の七つの感情の乱れのこと。
○不摂生な食事 栄養過多または不足
○運動不足
○寒邪と熱邪 冷え過ぎや発汗のしすぎなど
○気虚(気の不足)
気のエネルギー不足は、心臓の働きも低下する。
血液を送るポンプの働きが弱いので、血行が悪くなり、お血となる。
○血虚(血の不足や血の質が低下した状態)
貧血や造血機能の低下も血虚の状態と考える
血液は、血液自身が勝手に流れているのではなく、気のエネルギーに頼って体内をめぐることができると中医学では考えています。だから、気の充実も大切ですね。
毛細血管に注目
私たちの体の中には、太さ0.006mmという目に見えないほど細い毛細血管が張り巡らされていて、ひとつひとつの細胞に栄養を与え、老廃物を受け取っています。心臓の冠状動脈や脳動脈という太い血管にも、毛細血管を通じて栄養分が供給されているのです。
お血の状態になると、太い血管でなく末端の毛細血管の血流悪化という形で表れて来ます。
中医学では、舌の裏の血管を診るなどで病気の兆候をみつけています。
血球の変形能
私たちが、健康で居られるのは、毛細血管での栄養供給と老廃物を取り去る働きがうまく行われているからです。
そして、その血液の流れの中で特に重要なのが血球です。赤血球は直径約8マイクロメートル、白血球は8~10マイクロメートル。
これが6マイクロメートル(0.006mm)前後の毛細血管を通るために、各血球は、変形能という、忍者のような能力を使って通過するのです。だからこの変形能が低下すると、血流が悪くなります。
血液循環を良くするために大切なこと三ヵ条
①歩く
②野菜や魚をたくさん食べる
③ストレスをためない
などの生活習慣の改善です。
そしてお血の存在をチェックし、お血があれば活血化お薬を飲むのが中医学では一般的です。
やってみよう-簡単自己チェック
瘀血(お血)のチェック表
項目 症  状 点数
裏側の静脈が暗紫色に腫れている
色が暗赤色または紫色のシミがある
5点
5点
頭肩 肩や首筋がこる
手足が冷える
物忘れしやすい
頭痛
3点
2点
2点
3点
皮膚 顔色がどす黒い
歯ぐきが暗赤色
皮膚が硬化しざらついている(さめ肌)
打撲によるうっ血がある
目にくまができる
シミ・そばかすが多い
手のひらに紅斑がある
アザができやすい
5点
5点
5点
5点
3点
3点
3点
2点
痛み 胸に刺すような痛み、
あるいはしめつけるような痛みがある
関節痛がある
手足がしびれる
リウマチ

5点
5点
3点
3点
生理 生理の色が黒ずんでいたり、塊がまじる
生理痛がひどい
5点
3点
痔がある
タール状の黒便が出る
2点
3点
血管 唇が紫っぽい、
腹や足の静脈が浮き出ている
5点
3点
内臓 内臓にポリープや腫瘍がある 5点
総合得点 3~6点   瘀血(お血)の傾向
7~11点  瘀血(お血)
12点以上 瘀血(お血)がすすんでいる

  点
お血とかかわりの深い病気としては、神経痛、リウマチ、関節痛、筋肉痛、冷え性、肩凝り、生理痛、不妊症、打ち身、ねんざ、動脈硬化、高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、痴呆症など400以上もあると云われています。
瘀血(お血)の原因別タイプと治療法
瘀血のタイプ おもな症状 原因と対策 活血化瘀薬と併用する薬
①元気不足の
〔気虚タイプ〕
息切れ、動悸、疲れやすく元気がない 虚弱体質、過労、心臓のポンプ作用の低下→心臓のポンプとしての力を強める 朝鮮人参、西洋人参、黄耆、麦味参頼粒、補中益気湯
②血液不足の
〔血虚タイプ〕
血色が悪い、皮膚につやがない、めまい 栄養不良、偏食、出血、造血機能障害→増血 当帰、阿膠、芍薬、熟地黄、婦宝当帰膠、四物湯
③冷え・寒がりの
〔陽虚タイプ〕
元気がない、手足が冷える 体の熱エネルギー不足、冷たいもののとりすぎ、外気の寒さ→体を温める 鹿茸、附子、肉桂温経湯、ハ味丸、海馬補腎丸
④体液不足で
ほてり気味の
〔陰虚タイプ〕
□やのどが渇く、手足のほてり、のぼせ、皮膚の乾燥感 発汗過多、嘔吐、下痢、高熱による脱水、慢性疾患による体液消耗→体液を増やす 麦門冬、玄参、生地黄、ハ仙丸、増液湯、瀉火補腎丸
⑤気が停滞した
〔気滞タイプ〕
イライラ、不安感、ため息をつく、胸苦しい ストレス、緊張状態の継続→ストレスを緩和し、血管を拡張する 木香、香附子、柴胡、逍遥丸、四逆散、開気丸
⑥ヘドロが
たまった
〔痰湿タイプ〕
肥満、コレステロールや中性脂肪が高い 飲みすぎ、食べすぎ、代謝の低下→過剰な脂質や水分をとり除く 山楂子、半夏、温胆湯、沢瀉湯、沙棘油、沙棘フラボノイド
代表的な活血化お薬
活血化お薬 冠元顆粒 活血化お薬 血府逐お丸
冠元顆粒 血府逐お丸
活血化お薬と併用する薬
麦味参顆粒麦味参顆粒
補中益気丸補中益気丸
婦宝当帰膠婦宝当帰膠
温経湯温経湯
金匱腎気丸金匱腎気丸
八仙丸八仙丸
瀉火補腎丸瀉火補腎丸
逍遥丸逍遥丸
開気丸開気丸
温胆湯温胆湯
国際中医専門員遠藤徹のブログブログ ~漢方で生涯現役を目指しています~
漢方の経験を重ねて、人々のお役に立てられることが、いつまでも続けられることは、
とても素晴らしいことですね。そのように思いながら、少しずつ綴っているブログです。
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